先々を考えた施工(T)

市内で、共同住宅用自動火災報知設備が設置されているマンションに行ってきました。外部試験器での点検を実施すると、異常が発生してしまう住戸の調査・改修工事です。
外部試験器を中継器に接続して試験を開始すると、住戸内インターホンと戸外インターホン子機がピーっと異常音を発し、外部試験器も感知器のカウントもしないまま試験異常の判定になる状況でした。
中継器には、住戸内インターホンと繋がる4芯と、住戸の感知器に繋がる2芯の、2つの配線ルートがあるので、どちらか(あるいは両方)のルート上に異常があるか、あるいは、中継器等の接続されてる機器自体が不良の可能性が考えられます。
まず、感知器側の2芯ルートに異常がないかの確認のため、中継器に接続されてる住戸内インターホン側の4芯を外し、感知器側の2芯のみ接続の状態で外部試験をかけました。4芯を外したことで正常に電源供給されないので、試験自体は異常になるのですが、感知器のカウントさえされれば、感知器側は正常と判断出来るのではないか、と考えたのです。
試験の結果、感知器のカウントが正しくされたので、感知器側ルートの異常の可能性は消去。
続いて住戸インターホン内の電線を見てみると、中継器側の電線とは全く違う電線を使用していました。それは、何処かでジョイント部分があることを示します。
そのジョイントが怪しいなと思いつつ、4芯がそれぞれ問題ないか導通確認をしていきました。すると、4本の電線のうち1本が断線していることが分かりました。
話を聞くと、以前、リフォーム工事で住戸内インターホンを移設したとのことでした。 その際に天井裏で電線を延長するためにジョイントを作っていたようです。そのジョイント部分も点検出来ない位置にあるため、改修には天井の一部を開口する必要があり、リフォーム業者含めて打ち合わせることとなりました。
先輩方には常々、不要なジョイントは作るなと指導されて来ましたが、その言葉の意味を痛感した現場でした。
今回の部屋ではジョイントを作らざるを得なかったとは思いますが、ジョイント部分をダウンライト付近にするなど、先々のメンテナンスを考えた施工をしなければいけない、とあらためて感じました。

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