点検の意義(T)

村上くんと漏電火災警報器の点検に行って来ました。
最近では、この設備も見る機会が減ってきました。漏電火災警報器が設置される防火対象物は、木造ラスモルタルといわれる構造が一般的です。
準防火地域では、木造は2階建以下で延焼の恐れがある部分を防火構造にする必要があり、その防火構造の代表がラスモルタルだそうです。外壁にラスと呼ばれる鉄網の上にモルタルを塗るので、ラスモルタルの壁の中には鉄網が張り巡らされてることになります。電気の引き込み線からその鉄網に漏電が起きて発火した場合、張り巡らされた鉄網を通して壁の中を火災は広がり、炎が上がる頃には建物中に火災は拡大。ラスモルタル構造は漏電火災を起こす可能性があるのです。
ただ、最近は、漏電ブレーカーも設置されており、高感度のものでは数mAの漏電で電路を遮断します。
例えば100mAの感度設定の漏電火災警報器では、漏電火災警報器が漏電を感知して警報を発するより先に、漏電ブレーカーが落ちることになるので、電気供給を止める漏電ブレーカーに比べて、漏電火災警報器の存在感は薄れつつあります。
また、ラスモルタルの防火対象物も減ってきているのではないでしょうか。
そうは言っても、漏電火災警報器が設置される防火対象物の、漏電火災をイメージすると身が引き締まりますし、漏電ブレーカだけではなく、漏電火災警報器による二重の防御により、鬼に金棒、より安全・安心を守っているのだと思います。
この日は村上くんに漏電火災警報器の構造や点検方法を教えました。点検方法は難しいものではありませんが、建物の構造からその存在意義を説明し、火災が起きる可能性を想定した意識を伝えることに重点を置きました。

私自身もNBSはこの点検に対する意識こそ大切なんだ、と先輩方に教わりました。
この意識を語り継ぎ次の世代の育成に全力で臨みたいと思います。

 

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