消防訓練実施までの5ステップ

消防訓練の実施時期や、訓練の内容などは、上記の「消防計画」に書かれています。消防計画は、「私たちは、このように防火管理に努めますよ」と、消防署に届出しているものなので、その計画に書かれていることをやらなかったり、時期を大幅にずらさないようにしましょう。
消防計画や例年の実施状況などに基づいて、今年の計画をたてます。だいたい、実施の数か月前に、理事会や自治会の会合で相談し、日程決めや役割分担をしているところが多いようです。
【注意】消防署の協力を要請する場合は、候補日なん日か設定してくこと。
特に9月は、防災訓練を行う自治会が多いので、希望の日に来てもらえない可能性もあります。

日程が決まったら、所轄の消防署に届出をします。書式は、消防署で配布しています。
東京の方はこちらのページが便利です(別窓で開きます。ページの下の方に「自衛消防訓練通知書」という書式があります。自治体によっては、実施後の報告で届出できるところもあるようです。)
東京消防庁書式ダウンロード
下記の「参加者アップの3原則」にあるように、当日消防車などに来てもらったり、また消火訓練の指導を要請したり、AED(自動体外式除細動器)の講習などをお願いする場合は、その要請もあわせて行います。

消防設備点検を依頼している会社に協力を要請します。
消火訓練用の消火器の用意、避難訓練の開始の合図として、 自動火災報知設備の地区音響装置の鳴動などをしてもらいます。
また、消火器を使用する訓練や避難器具の体験などをする場合は、指導やサポートを要請しておくといいでしょう。
また、非常食の試食や炊き出しをするときは、非常食を支給してくれる自治体(浦安市など)もあるようです。他にも、防災マップなど、配布できるものはないかなど、役所の防災課などに問い合わせてみるといいかもしれません。

日時・内容が確定したら、参加を促すため、住民に告知をします。
広報紙がある場合は、それに掲載したり、掲示板やエレベータ内などにポスター等を貼ったり、ポスティングをしたりします。
参加を促すためだけでなく、地区音響を鳴動させたりする場合、住民が訓練のことを知らないと、困ったことになりますので、そのこともあわせてしっかり告知することが肝心です。

当日のタイムテーブルを作ったり、参加者に配布するもの(飲み物や防災用品のサンプルなど)を手配したり、使用するもの(メガホンや受付テーブル、住民名簿、筆記具など)を前日までに用意します。ひとりで全部やろうとすると結構大変です。他の役員に協力を頼んだり、住民からお手伝いを募ったりするといいでしょう。事前準備が整ったら、あとは当日を待つばかりです。

消防訓練(防災訓練)で、消火器の使い方や通報の仕方、安全な避難の仕方などを体験することは、もちろん大事なことですが、実は、都会では、住民同士が顔を合わせることが最も大事なことなんじゃないかと思います。
火災や地震などのとき、一番大事なのは、互いに助け合える「ご近所の底力」に違いありません。そのためにも訓練には、より多くの人に参加してもらいたい!
それに、準備に奔走したその日々を、報われるものにするためにも、ぜひとも大勢の人に集まってほしいじゃありませんかっ!そこで、参加者アップのためのアイデアの基本3原則をご紹介します。


子供を巻き込もう!

ちびっこのために、消防車の乗車体験させてくれたり、ミニ消防服などを着せてくれる消防署もあります。子供が参加すれば、家族もついてきてくれますので、子供に受ける企画は、参加者アップに効果的。
また防災訓練のポスターを子供たちに描いてもらうなどしている自治会もあるようです。


めったに体験できないイベントを売りに

スモークハウスで煙の通路を避難する体験

油火災をの怖さや消火方法などを体験

最近注目のAEDの講習や、心肺蘇生法講習

日常では、絶対に体験できないことがある。これはイベントの基本原則かもしれません。消防訓練(防災訓練)を「イベント」と言うと異論がある方もいるやもしれませんが、未知の体験は、往々にして心躍るもの。「ここでしかできない」、「普段はできない」ことを体験できることは、参加者アップにつながるはずです。
消防署によって、できることも異なりますが、一般的な避難・通報・初期消火の体験以外にも、上記のようなことをさせてくれる消防署もありますので、相談してみてください。


試食や炊き出し、防災用品などの配布

写真は「サバイバルシチュー」、浦安市が、災害用に備蓄しているもので、避難訓練のときなどには、無償で自治会などに提供してくれます。同じようなことをしている自治体はあるでしょうから、ぜひ役所に問い合わせてみてください。
また、消防訓練だけでなく、震災を想定した防災訓練を同時に行う場合は、マンション独自に炊き出し体験をしている場合や、訓練に参加した人に、保存食(乾パンやチョコレート、氷砂糖、アルファー米)や防災用品(簡易救急セットやアルミブランケット)などを配ったりして、参加率を上げている自治会もあります。
食べ物や配布物がもらえるとなると、やっぱり「参加しようかな」と思う人も多いのではないでしょうか。

10:30




【消火訓練・通報訓練】
①消防職員によるレクチャー
②訓練消火器を使った消火訓練
  消火器の使用方法などの説明後、 3本から5本程度の訓練消

  火器を数回使い、多くの人に消火器の使用を理解してもらう。
③通報訓練の開始
  消防署持参の電話機と交換機を用いて、119番訓練通報訓練
  を行う (火災ですか?救急ですか?)。

 
11:15

【油火災の消火訓練】
①料理中の油火災の消火訓練
 消防署持参の疑似油火災装置を用いて水による消火の危険性などを説明。消火器や濡れタオルなどを使った消火体験。

 
11:30

【消防車乗車体験など】
子供用消防服を着て記念撮影をしたり、はしご車に乗車する体験
などを行う。

 
12:00

【炊き出しや配布など】
炊き出しや粗品などを配布する場合は、順次配膳・配布を行う。

 
13:00

【訓練終了】
後片付け。反省会。
来年のために、記録を残しておく。

 

僕のマンション防災担当理事体験で、消防訓練(防災訓練)の実施の仕方を解説させていただきました。お住まいのマンションの防火管理に役立てていただければ幸いです。
え?「僕」が誰なのか、いまだに分かない?
そんな~ぁ(TT)…。ぜひともこちらのコンテンツで、僕の物語をご一読ください。
マンション管理組合防災担当理事になった僕