2011年4月1日に、消火器に関する省令改正等が行われ、製造から10年以上経過した消火器に3年おきに耐圧性能点検が義務付けられました。その改正のポイントについて、いつものようにNBS登尾(のぼりお・旧姓安井) が解説いたします。
消火器耐圧機能点検義務化の背景
【NBS・登尾】
一昨年の2009年に大阪で、老朽化した消火器が破裂し、小学生が怪我を負うという事故が起きました。それをきっかけに、放置してあった消火器を片付けようとした人などが、やはり破裂した消火器で負傷する事故が連続して発生。老朽化した消火器が身近にあることの危険性がクローズアップされました。
そうした事故を防ぐために、今回の改正になったのですが、下図の通り、それぞれ製造年からの経過年数により、点検をしなければならない時期が違っています。
1. 製造から10年経過する消火器は、耐圧性能の点検(水圧点検)が必要となります。
2.施工時に10年を経過しているものは3年の猶予期間内に耐圧試験が必要となります。
3. 消火器の規格変更により、2011年以前に製造された旧規格形式の消火器は、2022年1月1日で「型式失効」となり使用できなくなります。
加圧式耐圧性能点検実施開始時期
※外観点検で安全栓等に異常が認められたものや、外観点検で本体容器に腐食等が認められた場合は、点検が不要とされる期間であっても、点検が必要です。
※二酸化炭素消火器及びハロゲン化物消火器は除きます。
点検内容
【マンション管理者】
家のような大型マンションは、すごい数の消火器が設置してあるんだ。
もちろん、きちんきちんと法定点検も受けているし、外形点検であやしいものは、新しいものに入れ替えてきている。
抜き取りを順番に行いながら、全部の本数を点検して行くとなると、コストもたいへんだが、どの消火器が、何年度製造で、水圧試験が済んでいるのか、いないのか、管理するのも非常にたいへんそうだ!
【NBS・登尾】
耐圧機能点検(水圧点検)は、消火器に水圧をかけることで、変形、損傷、漏水等がないかを確認するもので、メーカーなどに持ち込んでテストを行いますので、コストが高く時間もかかります。
3年ごとに点検するとなると、新基準形式の消火器に入れ替えた方が、はるかにコストダウンとなりますので、実はNBSでも、点検よりは入れ替えをおススメしています。
マンションなどの場合、毎年の予算もある程度決まっている場合が多いので、計画をしっかりたたて、棟ごと、フロアごとなど、無理のない更新を行って行くといいと思いますよ。
担当:登尾→ NBSエンジニアリング TEL047-350-5675 お問い合わせ
【マンション管理者】
考えてみれば、消火器1本数千円でしたね。
新しい規格の安全な消火器にした方が、点検をしながら使用するより、住民にとっても安全かもしれませんね。