知識と経験の蓄積(T)
今日は葛西にあるマンションの点検に行ってきました。
このマンションに設置されている火災報知器はP型1級。
P型1級の場合、発信機には受信機との通話機能と応答確認機能があり、発信機点検の際には、受信機との通話と発信機の起動及び応答ランプの点灯を確認します。
今日もいつも通り、電話器を片手に上の階から順番に、発信機点検とベル鳴動を確認しながら下階へ下りていきました。ところが、何台か点検したところで通話が出来ない発信機がありました。
とりあえず原因を調べるのを後回しにして下の階の発信機を点検してみると、この発信機も通話が出来ません。
結局、そこから下の階は全て通話が出来ませんでした。
さらに、発信機の電話ジャックに電話器を差し込んでいないのに、発信機側から受信機を呼び出しっぱなしになっていました。すぐに、最後に正常に作動した発信機があやしいと思い、その発信機のT線を外してみました。
すると電話の呼び出しが止まりました。呼び出しが止まると、さっきまで通話出来なかった発信機で通話が出来るようになりました。どうやら発信機を動作させた際に発信機内部に異常(T・C間が短絡したような状態)が発生したようです。
発信機の外面の劣化も激しく、先日も別の発信機を交換したばかりでした。結局、発信機の異常が復旧出来ない症状だったので、T線を当該発信機から離線処理し、 オーナー様に状況を説明して点検作業を終了しました。
不具合の状態のままではありますが、不良の発信機の通話機能のみが使えない状況なので、影響が最小限での措置が出来たと思います。
実は今回の電話が呼び出しっぱなしになる症状は以前経験がありました。消防設備士の仕事を始めたばかりで、その時は私が対処することは出来ませんでした。
そんな私も消防設備に携わって8年目。
今回の事例は難しい対応ではありませんが、不具合に対して咄嗟の判断で不具合箇所を特定し、最小限の影響で収める措置が出来たことを思うと、NBSで少しずつでも成長出来ているのだと実感出来ました。
また、日々の点検や工事での経験が少しずつ蓄積され、一瞬の判断にも繋がるのだと感じました。
まだまだ若輩者ですので、成長をかけて日々精進していきます。