連結散水設備の未警戒-木下

先日、都内の事務所ビルの消防設備点検に行って来ました。
そのビルには地下階があり、連結散水設備が設置されていました。
連結散水設備は、屋外の送水口から消防ポンプ車で水を送り込み、 設置されているヘッドから散水することで、消火活動を支援する設備です。

点検を実施してみると未警戒箇所がありました。 元々は電気室として使用していたので、ヘッドの設置を免除されていた部分を、 現在は居室として使用していたのです。 未警戒箇所とはいえ、連結散水設備のヘッドの増設は容易に出来ません。 送水口から繋がるヘッドの数には制約があり、開放型ヘッドだと一の送水口に対して10個までしか設置できません。 現地のヘッド数は10個ピッタリでした。
ヘッドを増やすなら新たに送水口を新設して配管も引かなければならないのです。 そのため、ヘッドを増設するのは現実味がなく、私からは別の方法を提案しました。 その防火対象物の主要構造部が耐火構造であったため、耐火構造の床・壁または防火戸などの自動閉鎖装置で区画された床面積50㎡以下の部分のヘッド設置免除の規定を思いついたのです。 そのため、この免除規定に則った建築工事をお願いしました。 お客様にもご納得頂き、その提案の方向で進んでいます。

不適合の是正にはいくつか選択肢がある事が多く、 方法によっては費用が莫大にかかることもあります。 不適合箇所を見逃すことは出来ませんが、 無駄な費用をかけない選択をすることは、われわれ消防設備士の大事な仕事です。
そのためには、知識や経験が必要です。 常にプロフェッショナルの自覚を持って、 知識や経験に基づいた技術を身につけて行きたいと思っています。

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